＜　トゲナシアダン　＞　◎アダン（下記説明参照）の刺なしタイプ。アダンの突然変異かと思われますが、成因は不明。　◎葉にあの凶暴な刺が全くなく、すべすべして優しいお姿、一瞬アダンであることを忘れてしまいます。　◎葉以外はアダンと同じで、南国情緒豊かに育ってくれます。

＜　アダン　＞　◎大きな赤い実がなったこの木を見ると”あー、南国に来たんだと”としみじみ思います。　◎主に南国の海岸に自生し、盆栽の風情がある横広がりに枝分かれした細身の幹、それを支える数十本の気根、高さは３ｍ程度。　◎赤い実が頭で、その上の葉が髪の毛と言う精霊の化身が、てんでに寄り添い合っている様に見えるのは私だけでしょうか？　水木しげるの南方の絵にも出てくる、あの何とも言えない雰囲気を醸し出しています。　◎実は複合果で多数の分果が集まって一つの実を作ります。初めは緑で、熟すと濃橙色に変化し、発酵したパインナップルの様なえもいわれぬ良い香りが漂い出します。完熟した分果は一つづづ千切れ、その根元をしゃぶると、繊維の中からほんのり甘い果汁が出てきます。昔は子供のおやつになったとか。ヤシガニの大好物でもあります。　◎新芽の中心部は、茹でてあく抜きして食べられます。ほんのり竹の子の様な香りがして珍味ですが、手間が掛かるので、島人もめったに食しません。　◎葉は幅５ｃｍ、長さ６０ｃｍ程で細長く艶がありやや硬めで、葉の両側面には細く鋭い刺が上向きにずらりと生えており、まけに中央の主脈の裏側にも生えていると言う念の入り様で、素手で扱うと傷だらけになります。　◎葉は刺を取り除いてから茹でて乾燥させ、屋根材、ぞうり、カゴ、バッグ、敷物、玩具などに利用されます。